LDAPクライアントの設定(Linux) (2011/06/23)

Samba/LDAPサーバを構築しました(Samba/LDAPサーバの構築).ここでは,LinuxマシンでのLDAPクライアントの設定方法について記載します.これにより,各Linuxマシンのログイン認証をSamba/LDAPサーバが担ってくれますので,各マシンでの個別のアカウント登録の必要性はなくなります.NFSサービスと合わせれば,ローカルネットワーク内であればどのLinuxマシンでもログインでき,ログイン後の環境をほぼ同じようにできます.CentOSの場合とDebian GNU/Linuxの場合の設定について記載します.

CentOSの場合

  1. パッケージのインストール

    関連パッケージがインストールされていなければ,インストールします.

    local$ sudo yum install authconfig nscd
    local$ sudo yum install openldap-clients nss_ldap
    

  2. GUIによる設定

    authconfig-tui により,GUI による設定ができます./etc/openldap/ldap.conf, /etc/nsswitch.conf が LDAP 認証ができるように自動設定されます.サーバのIPアドレスをここでは,仮に 192.168.0.2 とし,ベースDNを dc=example,dc=com としています.

    local$ sudo authconfig-tui
    認証の設定
     ユーザ情報
      [*] キャッシュ情報
      [ ] Hosiod を使用
      [*] LDAP を使用
      [ ] NIS を使用
      [ ] Winbind を使用
     認証
      [*] MD5 パスワードを使用
      [*] シャドウパスワードを使用
      [*] LDAP 認証を使用
      [ ] Kerberos 5 を使用
      [ ] SMB 認証を使用
      [ ] Winbind 認証を使用
      [ ] ローカル認証は十分です.
    LDAP 設定
     [ ] TLS を使用
     サーバー:  ldap://192.169.0.2
     ベース DN: dc=example,dc=com
    

  3. 設定の確認

    次のコマンドでデータベースが参照できているかどうかを確認できます.

    local$ getent passwd
    local$ getent shadow
    local$ getnet group
    local$ id (アカウント名)
    

Debian GNU/Linuxの場合

  1. パッケージのインストール

    関連パッケージがインストールされていなければ,インストールします.インストール時の質問に対しては,「2. パッケージの設定」の通り,回答して下さい.

    local$ sudo aptitude install ldaputils
    local$ sudo aptitude install libnss-ldap libpam-ldap
    local$ sudo aptitute install libnet-ldap-perl
    

  2. パッケージの設定

    「1. パッケージのインストール」で既に該当のパッケージがインストールされている場合は,ここから開始します.

    local$ sudo dpkg-reconfigure libnss-ldap
    LDAP サーバの URI:  ldap://192.168.0.2
    検索ベースの識別名: dc=example,dc=com
    利用する LDAP バージョン: 2
    LDAP データベースはログインを必要としますか? <いいえ>
    root への特別な LDAP 権限? <はい>
    オーナのみ設定ファイルの読み書きができようにしますか? <いいえ>
    root の LDAP アカウント: cn=manager,dc=example,dc=com
    LDAP root アカウントのパスワード: (管理者のパスワードを入力)
    
    local$ sudo dpkg-reconfigure libnss-ldap
    LDAP サーバの URI:  ldap://192.168.0.2
    検索ベースの識別名: dc=example,dc=com
    利用する LDAP バージョン: 2
    LDAP 管理アカウントがローカルの root のように振る舞うことを許しますか? <はい>
    LDAP データベースはログインを必要としますか? <いいえ>
    LDAP 管理用アカウント: cn=manager,dc=example,dc=com
    LDAP 管理用パスワード: (管理者のパスワードを入力)
    パスワードに使うローカル暗号化アルゴリズム: crypt
    有効化する PAM プロファイル:
      [*] Unix authentication
      [*] LDAP Authentication
      [*] GNOME Keyring Daemon - Login keying management
    

  3. /etc/nsswitch.conf の設定

    /etc/nsswitch.con の次の項目に ldap を追加,もしくは,ldap に書き換えます.

    passwd:         compat ldap
    group:          compat ldap
    shadow:         compat ldap
    netgroup:       ldap
    

  4. 設定の確認

    CentOSの場合と同様,次のコマンドでデータベースが参照できているかどうかを確認できます.

    local$ getent passwd
    local$ getent shadow
    local$ getnet group
    local$ id (アカウント名)
    


梅原 大祐 / UMEHARA Daisuke umehara@kit.ac.jp
Last modified: 2020/05/01 15:37
Total Access Count