ブリッジ接続 (2005/08/19)
複数の NIC (ネットワークカード) を差しているマシンでは,これらの NIC に同一の IP アドレスを割り当て,それぞれの NIC が物理的に繋がっている異なるネットワークを論理的に同一のネットワークとして構成することが可能です.これをブリッジ接続といいます.例えば,有線 LAN の NIC と無線 LAN の NIC とが二枚差しのとき,ブリッジ構成にすれば,有線と無線が同じネットワークに所属することができ,非常に便利な場合があります.Windows XP Professional の場合は簡単で,コントロールパネルからネットワーク接続のウィンドウを開き,ブリッジ構成にしたいネットワーク接続を選んで,右クリックのメニューに現れるブリッジ接続を選べば,ブリッジを構成してくれます.Linux の場合には,カーネルの再構築が必要になるときがあります.以下では,Linux におけるブリッジ接続の構成方法について述べます.
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カーネルの再構築: CONFIG_BRIDGE が y もしくは m になっていないときはカーネルの再構築が必要です.その他の BRIDGE のオプションを選択すると,さらにフィルタリングなどができるようになります.今回は次のオプションを選択しました.
CONFIG_BRIDGE_NETFILTER=y CONFIG_BRIDGE_NF_EBTABLES=m CONFIG_BRIDGE_EBT_BROUTE=m CONFIG_BRIDGE_EBT_T_FILTER=m CONFIG_BRIDGE_EBT_T_NAT=m CONFIG_BRIDGE_EBT_802_3=m CONFIG_BRIDGE_EBT_AMONG=m CONFIG_BRIDGE_EBT_ARP=m CONFIG_BRIDGE_EBT_IP=m CONFIG_BRIDGE_EBT_LIMIT=m CONFIG_BRIDGE_EBT_MARK=m CONFIG_BRIDGE_EBT_PKTTYPE=m CONFIG_BRIDGE_EBT_STP=m CONFIG_BRIDGE_EBT_VLAN=m CONFIG_BRIDGE_EBT_ARPREPLY=m CONFIG_BRIDGE_EBT_DNAT=m CONFIG_BRIDGE_EBT_MARK_T=m CONFIG_BRIDGE_EBT_REDIRECT=m CONFIG_BRIDGE_EBT_SNAT=m CONFIG_BRIDGE_EBT_LOG=m CONFIG_BRIDGE=m
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bridge-utils パッケージをインストールします.
# apt-get install bridge-utils
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インターフェースの設定: 起動時にブリッジ接続にしたいので,/etc/network/interfaces を次のように編集します.今回は,eth0 と eth1 をブリッジ接続とします.なお,下にあるアドレスは適当につけました.
auto br0 iface br0 inet static address 192.168.231.2 netmask 255.255.255.0 network 192.168.231.0 broadcast 192.168.231.255 gateway 192.168.231.1 bridge_ports eth0 eth1
上記の設定の後,再起動すれば,Linux においてブリッジ接続が実現されます.なお,再起動しなくても,コマンド ifup br0 で設定が反映されます.
梅原 大祐 / UMEHARA Daisuke umehara@kit.ac.jp Last modified: 2020/05/01 15:37