テスト版の linux-image の利用 (2006/05/16)

不安定版 sid を利用していると,linux-image は最新のものを利用できますが,Debian リビジョン番号のアップグレードが頻繁です.linux-image の最新バージョンを利用していて,Debian リビジョン番号だけが上がった場合,モジュールの依存関係に問題が生じる可能性があるから,再起動を促すメッセージが出ます.しかし,研究室のマシンでは,学生のプログラムが走っていることがあるので,頻繁に再起動はできません.

そこで,一つ前のバージョン (Debian リビジョン番号ではないオリジナルの) の linux-image で起動させたいと考えました.しかし,sid では,一つ前のバージョンのものは提供されていないので,テスト版 etch を利用します./etc/apt/sources.list に次の一行を追加します.

deb http://dennou-k.gfd-dennou.org/library/Linux/debian etch main

Debian のミラーホストは,できる限りネットワーク的に近いところを選びましょう.一つ前のバージョンの linux-image をインストールします.

# apt-get update
# apt-get install linux-image-2.6.15-1-686
# mkinitrd -o /boot/initrd.img-2.6.15-1-686 2.6.15-1-686

/boot/grub/menu.lst は,update-grub で kernel の追加が自動的に行われますが,リストの最初のものが立ち上がるようになっています.最初のものは最もバージョンが新しいものです.二番目は,最新バージョンをシングルユーザで立ち上げるためのものです.三番目が,次に新しいバージョンになります.今回は,三番目を立ち上げるようにしたいので,/boot/grub/menu.lst の default の行を次のようにしました.

default         2

これで,sid の linux-image の Debian リビジョン番号のアップグレードがあっても,再起動が促されません.


梅原 大祐 / UMEHARA Daisuke umehara@kit.ac.jp
Last modified: 2020/05/01 15:37
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