Intel ICH7R におけるシリアルATAコントローラについて (2006/11/29)

一つ前の書いたこと「Intel Core 2 マシンへの Debian のインストール」の続きです.新しいマシンのCPUに関しては前回クリアしました.今回は,前回のトラブルとして残ったシリアルATAコントローラについてです.

トラブルの内容は,

.....
ata1: command 0xc8 timeout, stat 0x50 host_stat 0x24
ata1: status=0x50 {DriveReady SeekComplete}
sda: Current: sense key: No sense
    Additional sense: No additional sense information
.....
というメッセージがでて,折角インストールしたDebianを起動できない状態になりました.メッセージ内容から見てシリアルATAコントローラのトラブルと判断しました.マザーボードはASUS P5W DH Deluxeで,シリアルATAコントローラは,Intel ICH7Rです.

BIOSの設定からどうにかできないかと探っていたら,BIOSのシリアルATAコントローラの設定項目で,Modeに「Standard」と「AHCI」がありました.AHCIはAdvanced Host Controller Interfaceの略で,シリアルATAインターフェイスの実力をフルに発揮するための拡張仕様らしいです.Serial ATA (SATA) Linux hardware/driver status reportのHardware supportの項を読むと,「Standard」の場合は,ドライバ "ata_piix" を使い,「AHCI」の場合は,ドライバ "achi" を使うことが分かりました.このページには,ドライバ "ata_piix" の項に

ICH6/7/8 include support for addressing the SATA PHY registers.
This is not yet supported in Linux, mainly because some BIOS
do not fill in the necessary (PCI BAR) resources.
とコメントがあります.これがトラブルの原因のようです.「AHCI」にしても特に問題がないようでした(むしろパフォーマンスがあがる?)ので,「AHCI」として設定しました.この結果,エラーメッセージは出ませんでした.しかし,/dev/sdaから起動するように設定されたのにもかかわらず,最初はHDDが/dev/sdcと認識されたので,/dev/sdcから起動するように設定変更して起動し直したら,今度は/dev/sdaと認識されました.以降は,/dev/sdaとして認識されるので,/dev/sdaから起動するようにしています./dev/sdcに認識されたのは何故かという疑問は残りますが,現在はこのマシンを使用できています.


梅原 大祐 / UMEHARA Daisuke umehara@kit.ac.jp
Last modified: 2020/05/01 15:37
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