DVD をウェブでフラッシュビデオ配信する (2007/07/01)
DVD の内容をウェブでダウンロードできるようにして欲しい,との依頼がありました.DVD の内容は宣伝目的用のもので,仮にインターネットで配信しても問題なく(今回は学内限定の配信形態となりました),著作権上の問題はありません.せっかくでしたので,YouTube のような形で見れるようにしてみました.画質などはともかく,無料でできたので紹介したいと思います.なお,全ての作業は Windows XP Professional SP2 で行いました.
さて,試行錯誤だったウェブでの配信の手順は最終的にまとめると次のようになりました.
DVD から DivX (aviファイル)を作成
DivX (aviファイル)からフラッシュビデオ (flvファイル)を作成
フラッシュビデオ (flvファイル)をウェブ配信できるようにフラッシュビデオプレーヤを埋め込んだ HTML を作成
順を追ってみていきたいと思います.
DVD から DivX (aviファイル)を作成
次のウェブページを参考しました.
次は使用したソフトウェアで,リンク先は2007/07/01ではダウンロードできたページです.
- IfoEdit (0.971)
- DVD2AVI (1.77.3)
- DivX (6.6)
- TMPGEnc 無料版 (2.524) MPEG-2への変換は期間限定
DVD の中には,IFOファイルやVOBファイルなどがあります.それらに対する作業手順は次のとおりです.
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DVD から映像AVIと音声WAVを分離
IfoEdit を起動して,DVD 内の IFO ファイルを開きます.映像,音声,字幕のストリームの簡単な説明があるのでそれをもとに,分離したい音声ストリームを決めます.
DVD2AVI を起動して,分離したいVOBファイルを開きます.分離したいVOBファイルが複数ある場合は,その先頭のものだけ選択します.分離するVOBファイルのリストが表示されるので,分離したいVOBファイルだけにします.ここで,「VTS_??_0.VOB」はメニュー(静止画)であるので,選択してはいけません.「Audio」の「Track Number」から分離したい音声ストリームのトラックを選択します.
「File」から「Save Project」を選択します.選択後の画面で「保存する場所」と「ファイル名」を指定します(ここでは,dvd.d2vとします).「保存」すると映像AVI (dvd.d2vとVOBファイル)と音声WAVへの分離が始まります.
映像AVIはdvd.d2vがVOBファイルを参照することで構成されます.したがって,この二つのファイルは参照関係が維持されていないといけません.
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AVI から DivX に変換
DivX をインストール後,TMPGEnc を起動します.起動時のプロジェクトウィザードはキャンセルします.映像ソースとしてdvd.d2vを,音声ソースとして対応するwavファイルを参照します.
最初に1パス目のaviファイル(dvd1.avi)を作成します.「ファイル」の「ファイルに出力」の「AVIファイル」を選択します.「音声を出力」の「設定」をクリックし,形式を「MPEG Layer-3」,属性を「56 kBit/s, 24,000 Hz, Stereo, 6 KB/秒」を選択します.「映像を出力」の「設定」をクリックし,圧縮プログラムを「DviXR 6.6.1 Coded (2 Logical CPUs)」を選択し,さらに「設定」をクリックすると,「DivXRこーデック プロパティ」が起動します.レートコントロールを「マルチパス, 1パス目(速い)」を選択します.今回は,ビットレートを「1024kbps」とし,認定プロファイルを「Home Theater Profile」としました.保存のファイル名をdvd1.aviとして,保存先ディレクトリを指定します.「保存」をクリックすれば,dvd1.aviの作成を開始します.
2パス目のaviファイル(dvd2.avi)を作成します.「ファイル」の「ファイルに出力」の「AVIファイル」を選択します.1パス目と設定は同じで,保存ファイル名を「dvd2.avi」として「保存」をクリックすれば,「dvd2.avi」の作成が開始します.ここで作成された「dvd2.avi」が作成目標のaviファイルです.
DivX (aviファイル)からフラッシュビデオ (flvファイル)を作成
次のウェブページを参考しました.
次は使用したソフトウェアで,リンク先は2007/07/01ではダウンロードできたページです.
- MediaCoder (0.6.0-3788)
MediaCoder を起動します.Console Window が出ていなければ,「Transcode」の「Toggle Console Window」を出しておくことをお奨めします.「File」の「Add File」で,dvd2.aviを選択します.
左中の「Audio」タブを選択します.次のように設定しました.
Encoder: LAME MP3 Resample: 44100 Hz Channel: Stereo
また,右中の「LAME」タブを選択します.次のように設定しました.
Rate Mode: CBR Channel: Joint Stereo Bitrate/Quality: 128 kbps Algorithm Quality: 2
次に,左中の「Video」タブを選択します.次のように設定しました.
Mode: Two-Pass Bitrate: 2048 kbps Format: Flash Video Container: Flash Video
左中の「Picture」タブを選択します.次のように設定しました.
Resize: 480x320 Frame Rate: 25.000
設定数値は妥協できる画質やサイズなどで試行錯誤して決めました.「File」の「Set Output Folder」で出力先フォルダを設定します.その後,「Transcode」の「Start Transcoding」で変換開始です.変換終了後,ウェブ配信可能なflvファイルである dvd2.flv が作成されていました.
フラッシュビデオ (flvファイル)をウェブ配信できるようにフラッシュビデオプレーヤを埋め込んだ HTML を作成
次のウェブページを参考しました.
次は使用したソフトウェアで,リンク先は2007/07/01ではダウンロードできたページです.
- FlowPlayer (1.18)
- AVI2JPG (5.30)
映像配信するhtmlファイルを dvd2.html とします.また,配信する動画は自動再生しないように設定します.
AVI2JPG は再生する前に表示する画像を映像ソースの中から作るためにインストールしました.AVI2JPG を起動し,dvd2.avi を開きます.再生し,適当なところで一時停止します.そこで,「保存」をクリックすれば,その場面の画像ファイルが保存できます.これを dvd2.jpg とし,dvd2.html と同じディレクトリにおきます.次に,ダウンロードした flowplayer-1.18.zip を展開します.展開した中にある FlowPlayer.html や FlowPlayer のサイトの How to use を見ながら設定します.
まず,コントローラを選択します.ここでは,FlowPlayer.swf としました.これを dvd2.html と同じディレクトリにコピーします.
dvd2.html の object タブがフラッシュビデオの設定を書き込む部分です.今回は,次のように記述しました.
<object type="application/x-shockwave-flash" data="FlowPlayer.swf" width="480" height="344" id="FlowPlayer"> <param name="allowScriptAccess" value="sameDomain" /> <param name="movie" value="FlowPlayer.swf" /> <param name="quality" value="high" /> <param name="scale" value="noScale" /> <param name="wmode" value="transparent" /> <param name="flashvars" value="config={ videoFile: 'dvd2.flv', autoPlay: false, autoBuffering: true, useSmoothing: true, bufferLength: 10, loop: false, initialScale: 'fit', showMenu: true, hideControls: false, splashImageFile: 'dvd2.jpg', scaleSplash: false}" /> </object>
最後に,フラッシュビデオ配信できているかどうかを確認します.Windows と Linux で動作確認できました.視聴にあたっては,Adobe Flash Playerが必要になります.Debian GNU/Linux ではパッケージ flashplugin-nonfree になります.
# apt-get install flashplugin-nonfree
梅原 大祐 / UMEHARA Daisuke umehara@kit.ac.jp Last modified: 2020/05/01 15:37