apt-proxy から apt-cacher への移行 (2007/08/03)

Debian パッケージのキャッシングプロキシを構築するパッケージ apt-proxy や apt-cacher があります．apt-proxy を利用していたのですが，パッケージリストのダウンロードに異常に時間がかかることがあり，apt-cacher へ移行しました．意外に apt-cacher の情報がネットで見つからなかったため，ここにそのインストールや設定方法を書きます．

1. キャッシングプロキシへの apt-cacher のインストール

   キャッシングプロキシに apt-get install で apt-cacher をインストールします．ここではキャッシングプロキシのホスト名を proxy とします．

   proxy# apt-get install apt-cacher
   

2. キャッシングプロキシでの利用ポートや接続IPアドレス制限の指定

   利用ポートや接続IPアドレス制限などの /etc/apt-cacher/apt-cacher.conf に書き込めます．ここでは，利用ポートを 5000 (デフォルトは，3142)，許可する接続IPアドレスの範囲を 192.168.0.0/24 とします．

   proxy# vi /etc/apt-cacher/apt-cacher.conf
   .....
   daemon_port=5000
   .....
   allowed_hosts=192.168.0.0/24
   denied_hosts=
   .....
   

   他にも，ウェブレポートを作成するかどうかのフラグ，キャッシュをクリーンするかどうかのフラグなど，の設定項目があります．詳細は /etc/apt-cacher/apt-cacher.conf を見てみましょう．

3. キャッシングプロキシでの apt-cacher の起動

   マシン起動時に，apt-cacher のデーモンを起動するには，/etc/default/apt-cacher の AUTOSTART を 1 に修正します．

   proxy# vi /etc/default/apt-cacher
   .....
   AUTOSTART=1
   .....
   

4. クライアントでの sources.list の修正

   クライアントで /etc/apt/sources.list を修正します．例えば，

   deb http://ftp.jp.debian.org/debian sid main contrib non-free
   

   となっているのを，

   deb http://proxy:5000/ftp.jp.debian.org/debian sid main contrib non-free
   

   と修正すればオーケーです．

以上の修正の後には，apt-get update でパッケージリストの更新がうまくいくかどうかを確認しましょう．なお，apt-proxy は削除しました．

proxy# apt-get remove --purge apt-proxy
proxy# rm -r /var/cache/apt-proxy

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梅原 大祐 / UMEHARA Daisuke umehara@kit.ac.jp

Last modified: 2020/05/01 15:37