LaTeX Tips

図表が後ろのページにずれるのを防ぎたい (2007/07/09)

多くの図や表を入れようとする場合に,こちらの思った通りの配置にならずに,図表が後ろのページにいってしまうケースがあります.これらは1ページに貼り込める図表の上限が決めれらているために生じます.1ページに貼り込める図表の上限のデフォルト値は次のように決まっています.

\topfraction: 0.7
\bottomfraction: 0.3
\dbltopfraction: 0.7
\textfraction: 0.2
\floatpagefraction: 0.5
\dblfloatpagefraction: 0.5
topnumber: 2
bottomnumber: 2
totalnumber: 3

\topfraction は図表がページ上部を占める割合の上限です.\bottomfraction は図表がページ下部を占める割合の上限です.\dbltopfraction は二段組のとき段抜き図表がページ上部を占める割合の上限です.\textfraction は文章がページを占める割合の下限です.\floatpagefraction は図表がページを占める割合の上限です.\dblfloatpagefraction は二段組のとき段抜き図表がページを占める割合の上限です.topnumber はページ上部を占める図表の数の上限です.bottomnumber はページ下部を占める図表の数の上限です.totalnumber はページを占める図表の数の上限です.

下は極端な例ですが,プレアンブルに書き込むと1ページ内を図表で埋め尽くすことができます.それぞれの内容に応じて文章が見易い範囲内で使いましょう.

\renewcommand{\topfraction}{1.0}
\renewcommand{\bottomfraction}{1.0}
\renewcommand{\dbltopfraction}{1.0}
\renewcommand{\textfraction}{0.01}
\renewcommand{\floatpagefraction}{1.0}
\renewcommand{\dblfloatpagefraction}{1.0}
\setcounter{topnumber}{5}
\setcounter{bottomnumber}{5}
\setcounter{totalnumber}{10}

jpeg画像を読み込みたい (2007/06/29)

jpegファイル fig.jpg を取り込みたいとします.コマンド ebb が入っているパッケージ texlive-base-bin がなければ,インストールします.

# apt-get install texlive-base-bin

ebb で,fig.bb を作ります.

% ebb fig.jpg

プレアンブルに次のように書きます.

\usepackage[dvipdfm]{graphicx}

dviドライバは dvipdfm とします.dvips ではjpegファイルを取り込んでくれません.本文中で以下のように書きます.

\includegraphics[width=0.7\textwidth]{fig.jpg}

なお,dviファイルでは表示されません.dvipdfmx で変換されたpdfファイルにjpegファイルが取り込まれます.

文章に図を回り込ませたい (2007/06/29)

wrapfig.sty を利用します.texlive-latex-extra パッケージに入っているので,なければインストールします.

# apt-get install texlive-latex-extra

プレアンブルに

\usepackage{wrapfig}
と書きます.そして,図を挿入する場所に,
\begin{wrapfigure}{r}{0.4\textwidth}
\includegraphics[width=0.4\textwidth]{fig.eps}
\caption{fig.eps}
\end{wrapfigure}
と書けば,タイプセットした際に文章が図を回り込みます.


梅原 大祐 / UMEHARA Daisuke umehara@kit.ac.jp
Last modified: 2020/05/01 15:37
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