情報通信システム研究室 Faculty of Engineering, Kyoto Institute of Technology
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相補符号と時空間符号化を併用したMIMOレーダ符号の構成法に関する研究


抽象的な図 抽象的な図

レーダーはターゲット(目標物)の位置や速度等を推定する装置です。 一般のレーダとして、Phased-Arrayレーダが知られています。 Phased-Arrayレーダは、各送信アンテナ素子から単一の送信波形を送信し、その際に各送信アンテナ素子の位相差を設定することで送信ビームの方向を決めることができます。 送信アンテナ利得が得られる一方で、送信側でのビーム走査の必要があります。 近年注目を集めているのが、複数の送受信アンテナ素子から構成されるMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)レーダです。
MIMOレーダーでは各送信アンテナ素子が相互直交信号を送信し、受信側ではそれらが合成された信号を送信信号の直交性に基づいて分解します。

抽象的な図 抽象的な図 抽象的な図

レーダではパルス圧縮が一般的に用いられます。 しかし、MIMOレーダにパルス圧縮を適用すると送信信号間で干渉が生じるため、パルス圧縮特性が劣化してしまいます。 そのため、送信信号に相互直交性とパルス圧縮特性を両立させる符号が必要ですが容易ではありません。 完全なパルス圧縮特性を実現する送信符号として相補符号が知られています。 しかし、相補符号間に相互直交性は保証されていません。 そこで、今回相補符号と相互直交性を実現する時空間符号化を併用した符号構成法を提案しました。
抽象的な図 抽象的な図

また、符号列送信回数を削減する符号構成法も提案し、時間分解能を向上できました。