ブリッジ接続 Part 2 (2009/10/26)
Debianにおけるブリッジ接続の方法は「ブリッジ接続」に書きましたが,いつの頃からかシャットダウン時に NetworkManager がダウンするとそこで停止してしまう現象が生じていました.このときから,ブリッジ接続の設定と NetworkManager が相性が悪いと漠然と感じていましたが,主に Windows で動かしていたマシンでしたので,そのまま放置していました.ところが,このマシンがクラッシュし,新らしいブリッジ接続のマシンを作る機会ができたときに,ブリッジ接続と NetworkManager の相性の問題を解決したいと考えました.
ネット上で Linux における NetworkManager とブリッジ接続の相性について調べたところ,確かにこの相性が良くないことに関する多数の情報が見つけることができます.ところが,NetworkManager を削除する,NetworkManager を削除はしなくて停止する,または,NetworkManager は停止しなくても大丈夫である,など様々な情報があり,どれを見ても決定的な解決方法には思えませんでした.また,NetworkManager とブリッジについて検索すると,ヒットする情報の多くは仮想マシンにおけるブリッジ接続について書かれているもので,今回求めている情報とは異なるものでした.最終的に,ネット上の情報は頼りにせず,パッケージのマニュアルを読むことにしました.その結果,現在では,NetworkManager とブリッジ接続に関して相性の問題はないと結論に至りました.以下では,その経緯を述べます.
最初に,パッケージ bridge-utils をインストールし,/usr/share/doc/bridge-utils/README.Debian を見ました.
# aptitude bridge-utils # lv /usr/share/doc/bridge-utils/README.Debian
そこには,bridge-utils-interfaces(5) をチェックしなさい,と書かれていました.そこで,オンラインマニュアルを読むことにしました.
# man 5 bridge-utils-interfaces
しかし,このマニュアルの中には,NetworkManager との相性について何も触れられていませんでした.この時点で,実は NetworkManager に対して何もすることなく,ブリッジ接続の設定をすればよいのではないのかと思い至りました.オンラインマニュアル内の /etc/network/interfaces に関する設定例
auto br0 iface br0 inet static address 192.168.1.2 network 192.168.1.0 netmask 255.255.255.0 broadcast 192.168.1.255 gateway 192.168.1.1 bridge_ports allに相当する設定を行い,そのまま再起動してみたところ,特に問題なく起動時にブリッジ接続の設定が反映され,また,シャットダウン時にも特に問題が現れることはありませんでした.少なくとも Debian/GNU Linux unstable (sid) では NetworkManager を停止することなくブリッジ接続は可能です.
梅原 大祐 / UMEHARA Daisuke umehara@kit.ac.jp Last modified: 2020/05/01 15:37